売上は、「数量×単価」で計算されます。
売上を増加させるためには、「数量」か「単価」を増加させることになります。
「数量」を増加させるとは、たくさんの数を売りさばくということです。
「単価」を増加させるとは、値上げをするということです。
このうち、「数量」を稼ごうとすると手っ取り早い方法としては「値下げ」です。
値下げをすることで数量を増加させることで売上を稼ぐという方法です。
この場合、「数量」が増加して「単価」が減少します。
二つの要素とも変化します。
売上と利益がどのように変化するかをシミュレーションしてみます。
単価1,000円(仕入価格700円)で1,000個売れていると仮定します。
売上高は1,000,000円、売上総利益は300,000円、売上総利益率は30%です。
この商品を10%値下げすることで販売数量が10%増加したとすると下のように変化します。
この場合、売上は値下げ前から1%減となります。
さらにインパクトが強いのが売上総利益の減少です。
売上の減少は1%にとどまりましたが、売上総利益は26.7%も減少しています。
次は10%値下げして、販売数量が20%増加したと仮定します。
売上と売上総利益は下のように変化します。
売上は値下げ前から8%増加しています。
値下げ戦略が成功したかにみえます。
しかし、売上総利益をみると20%減少しています。
利益でみるとこの戦略では値下げ前の利益を確保できていません。
値下げ前の利益を確保するにはいくら売ったらよいのでしょうか?
このように値下げ前の50%増の数量を売らなければなりません。
もちろん、数量を売るのであれば仕入金額も下げてもらうことができるかもしれません。
(この例では仕入金額を変化させていません)
また、今回は売上総利益率30%のものを22.2%に下げたのですが、下げ幅を
少なくするという方法もあるでしょう。
しかし、値下げによる販売数量の増加を狙うのであれば相当な数量増加を
しないと値下げ前の利益を確保することはできません。
売上の推移をみるだけではなく利益がどうなるかをみながら戦略を立てなければいけません。