決算書に載っていることは、過去の数字の集計結果です。
そこからわかることは、黒字であった、赤字であったなど、結果がわかります。
しかし、詳細をみるようにすると、なぜ黒字であったか、なぜ赤字であったかが
わかるようになります。
「決算書は過去の数字だから役に立たない」といわれますが、営業利益や
経常利益の額をただ眺めているだけでは、確かに役に立ちません。
新聞などで上場企業の決算内容を報じる際に「営業利益が前年比で半減した」
などという記事があります。
確かに前年1億円だった営業利益が5,000万円になっていたら「半減」です。
しかし、それはは結果をみてなされただけのまったく意味のないコメントです。
売上総利益については、増加したのか、減少したのか、さらに販売数量が増加した
のか減少したのか売上総利益率(単価)が上昇したのか下落したのかなどを
みなければなりません。
売上が増加したことにより、売上総利益が増加したのか、利益率が低下して増加が
あまりなかったのかなど、売上の増減についても売上総利益への影響を考慮
しなければなりません。
販管費は何が増加して営業利益を減らしたのか、経費削減により減少した部分は、
営業利益を増加させる要因になっているが、増益要因はどのくらいあったのか、など。
このような要素を検討して、営業利益の増加要因と減少要因を分析しなければ
ならないため、単純な金額比較には何の意味もありません。
そして、増益や減益の要因を明らかにすることで、翌期以降の計画を立てる際に
役立てることができます。
決算書を仮説検証のためのツールとして使用することをお勧めします。