節税対策には、二つのパターンがあります。
一つは、今期利益が出そうだから何とか納税額を減らしたい、というニーズに
対する節税対策です。
もう一つは、個人と法人で合わせて税率の低いところで税金を支払い、
全体で納税額を低くする方法を考えるという節税対策です。
短期的な対策と長期的な対策と言い換えてもよいかもしれません。
冒頭に出てきたネットの検索結果はどちらかというと短期的な対策です。
何かを購入して経費を計上するということをするので、留意点としてその購入が
本当に必要なものであるかを問い直してみるということになります。
「節税のために」という買い物の場合、普段よりも財布の紐が緩みがちになります。
もう一つの節税対策では、会社のお金の流れを把握して、業績のシミュレーションを
行います。
その結果として、法人でいくら利益を計上して、個人がいくら役員報酬をとるかを
決めます。
シミュレーションの精度が低ければ、会社で赤字(役員報酬の取り過ぎ)になったり、
会社に利益を残しすぎたりということが起こります。
こうなると当初想定していた会社・個人の税負担が崩れてしまいます。
また、役員報酬をとりすぎると会社の財務体質が弱くなったりします。
この方法は難易度が高くてめんどくさい方法となりますが、仮説と検証を繰り返すこと
で、業績のシミュレーションの精度が高くなります。
(ただし、将来のことなのでどうしても不確定要素が残ります。)
会社のお金の流れを把握したうえで、最適な税負担を想定しながら利益が予想以上に
出た場合には、短期的な節税対策を考えるという順番で考えると、納税額の抑制と
財務体質の強化という二つのニーズに応えることができます。