枚方市の税理士三木博人です。
前回は、税金の支払いが遅れたり、申告書の提出が遅れたりした場合のペナルティ
についての概要をまとめました。
今回は加算税のうち、過少申告加算税と無申告加算税と不納付加算税について
みてみます。
過少申告加算税は、期限をちゃんと守って提出した申告書の金額が間違っていて、
少ない金額の税金で申告している場合にかかります。
正しい税額と前回申告した税額の差額(今回増える部分)の10%が
過少申告加算税となります。
ただし、今回増える税額が50万円を超える場合には、その超える部分については
15%の税率が適用されます。
間違っていることを自主的に申告した場合には過少申告加算税が
かからないこともあります。
無申告加算税は、申告期限を過ぎてから申告書を提出した場合にかかります。
期限を過ぎてから提出した申告書の税額の15%が無申告加算税となります。
ただし、税額が50万円を超える場合には、その超える部分については
20%の税率が適用されます。
提出していなかった申告書を自主的に提出した場合は、上記の税率(15%と20%)
が5%に軽減される場合があります。
また、税金は支払ったのに、申告書の提出だけをうっかり忘れていて、
2週間以内に申告書を提出した場合は無申告加算税がかからないことがあります。
不納付加算税は、源泉所得税を納付の期限までに全額納めなかった場合にかかります。
期限までに納めなかった金額の10%が不納付加算税となります。
不足分を自主的に納めた場合には、上記の税率(10%)が5%に軽減される場合が
あります。
これらをまとめると「期限内に」申告することを重視しているということがわかります。
過少申告加算税は、期限内に申告していますが、金額が少なかったケースであり、
無申告加算税は期限内に申告していないケースです。
この二つの例では、無申告加算税のほうがペナルティの税率が大きくなります。
間違いが見つかった場合には「自主的に」申告することで、ペナルティを
軽減することができます。
この場合の「自主的に」というのは、税務調査で間違いが見つかった場合は
除かれます。
申告書を提出することで税額が決まる税金(法人税、申告所得税、消費税など)は、
自主的に申告書を提出するのが原則だからです。
不納付加算税は、ちょっと特殊です。
源泉所得税は、申告書を出すわけではありません。
税金を払うことで申告したことになるというイメージです。
なので、源泉所得税を払わなかったら申告していない(=加算税がかかる)
ということになります。