枚方市の税理士三木博人です。
昨年末(平成26年12月30日)に平成27年度税制改正大綱が発表されました。
年末ギリギリだったということと、中小零細企業向けの改正があまりなかったという
こともあり、ついほったらかしておりました。
法人関係の税制改正では、平成27年4月1日以降開始の事業年度より法人税の
税率が25.5%から23.9%に軽減されます。
資本金1億円以下の中小企業では、年間800万円まではもともと軽減税率(15%)が
適用されていましたが、これはそのままです。
大企業にとっては税率が下がるということで歓迎かもしれません。
私が税理士試験の法人税法を勉強していたころ(平成9年から10年ごろ)は法人税の
税率は37.5%でした。
これが試験の直前になって34.5%に改正されました。
税率を下げる代わりに課税ベースを拡大するということで、賞与引当金や
退職給与引当金の損金算入が廃止や縮小になったり「一括償却資産」という新しい
ものが出たりして、受験対策としてはとても大変だったことを思い出します。
法人税率が37.5%だったころの実効税率(住民税や事業税を含めた税率)は
49.99%(ほぼ50%です)でした。
法人税率が34.5%に下がったときには46.4%となり、その後さらに税率の軽減が
行われて、さらに外形標準課税が導入された平成16年以降は40.6%くらいと
なっていました。
「もうけの半分が税金で取られる」や「もうけの4割が税金で取られる」という表現が
長らく続いていました。
しかし、今後は実効税率が30%を切ることが予定されているので、
「もうけの3分の1以下」になると思われます。
以上の税率は、資本金が1億円超の大企業でのお話です。
資本金が1億円以下の中小企業ではすでに実効税率は年800万円までは30%を
切っています。
自治体によって異なりますが年400万円までのもうけに対しては22%程度の税率
となっていることが多いです。
今回の改正案でもこのあたりに変更はありません。