税理士という仕事をしているとよく質問されるのが、
「これは経費になるのか?」
「どこまでなら経費にできるのか?」
といった経費の範囲に関する質問です。
結論から言ってしまうとそのようなはっきりとした境界線はありません。
その会社が営んでいる商売にとって必要なことであれば経費になりますし、
そうでなく単に個人が生活していくうえで支出しているものであれば会社の経費ではありません。
なので、同じものを購入しても経費にしてもよい場合と経費にできない場合があります。
たとえばプロゴルファーがゴルフクラブを購入したら経費にできますが、
ゴルフが趣味の人がゴルフクラブを購入しても経費にはできません。
ビジネスに必要なものは経費になりますし、ビジネスと関係のないものや日常生活でも使うようなものは経費になりません。
また、月々いくらまでなら経費を使ってもよいという基準もありません。
いくら使うかを決めるのが経営だからです。
常識的には、固定費を少なくして利益が出やすいようにしたほうがよいですが、非常識なやり方で成功している会社もたくさんあります。
正解はありません。
時には思い切った投資も必要ですし、その判断ができるのは経営者だけです。
しかも、月々いくらまでなら経費を使ってもよいということを決めると、必要のないことにお金を使うようになります。
(「予算が余ったから」というのと同じ発想です。)
このような状況では、必要なものを無駄なく購入することはできません。
当たり前のことですが、無駄をなくして、必要なところに集中的に投資をするということになります。
何が無駄で、何が必要かを決めるのもまた経営者の仕事です。