貸借対照表の中身に注目すると、いろいろなことがわかります。
左半分に記載している「資産」の各項目について、ちゃんと実在しているかを確かめる必要があります。
・現金残高は適正か?
・売掛金は入金の予定があるものばかりか?
・棚卸資産は全部が売れるものか?
など、資産の中でも重要性の高いものについては普段からしっかり管理することが求められています。
現金商売をしている会社であれば、レジの現金残高は毎日チェックしていると思います。
売掛金がたくさんある会社では、得意先ごとの残高を把握し、期日までに入金がなかったものについて督促などを行います。
棚卸資産をもつ会社では、実際の残高に過不足はないかなど、在庫管理の一環として実地棚卸を行います。
このように会社の中でも重要かつ日々増減している資産については、しつこいくらいに管理しています。
しかし、それ以外の資産については意外とルーズになっていたりします。
金額が小さい、あまり増減がなかった、重要性が低いなど理由はさまざまですが、ほったらかしのものもあります。
例えば固定資産台帳の備品に計上されているもので、とっくの昔に捨ててしまったものがありませんか?
敷金や保証金で、すでに退去している物件のものはありませんか?
出資金や権利金などの科目にもう退会した保養施設のものなどがありませんか?
など、すでに実物がないのに貸借対照表に計上されている場合があります。
貸借対照表には、実際にあるものだけが計上されていなければなりません。
実際にはない多額の現金、棚卸をしたこともないからどれだけあるかわからない在庫などは、本来貸借対照表に計上されていてはならないのです。