枚方市の税理士三木博人です。
個人事業者の方が記帳をする場合、「事業主貸」と「事業主借」という勘定科目を使用することがあります。
これらの勘定科目は個人特有のものです。
いずれも貸借対照表に出てくる科目です。
これらを理解するには、個人事業者がどのようなものかを理解する必要があります。
個人事業者は、同一人物が「事業を行う立場」「生活をする立場」という二つの立場を併せ持っています。
そしてそれぞれの立場の財布(お金)を持っています。
税理士のアドバイスで「事業用のお金を生活用のお金と区別しましょう」というものがあり
ますが、これはこのようにそれぞれの立場でのお金を明確にしたほうがよいという考えに
基づいています。(区別することでわかりやすくなりますし)
①生活する立場のお金を事業に移動させた場合「事業主借」という科目を使います。
反対に、②事業用のお金を生活用に移動させた場合は「事業主貸」という科目を使います。
そして、個人事業者が記帳するということは「事業用」の動きを記録することになります。
(家計簿は「生活用」の記録です。)
生活用→事業用のお金の移動(上記①の動き)・・・事業用のお金が増える
事業用→生活用のお金の移動(上記②の動き)・・・事業用のお金が減る
と整理できます。
複式簿記では、
①「事業用のお金が増える」場合には、現金が左側に仕訳されます。
(現金 ○○円 / 事業主借 ○○円)
②「事業用のお金が減る」場合には、現金が右側に仕訳されます。
(事業主貸 ○○円 / 現金 ○○円)
事業用のお金が足りなくなったときに、生活費から補てんする場合は①となり
事業用資金から生活費を取った場合は②となります。