枚方市の税理士三木博人です。
前々回と前回で「事業主貸」と「事業主借」の考え方をみました。
最終的にこれらの残高はどうなるのでしょうか?
貸借対照表の残高は、「期首残高+期中増加-期中減少」という算式で期末の
残高が計上されます。
そして、翌年には前年末の残高が期首残高となります。
「事業主貸・借」も貸借対照表の科目ですが、一般的なものとは違う処理をします。
年末に計上されている「事業主貸・借」を「元入金」という科目に集約し、「事業主貸・借」
は翌年ゼロから再スタートします。
計算ロジックは、
年末の元入金残高-事業主貸+事業主借+事業所得金額(青色申告特別控除前)
=翌年の期首残高とします。
です。
「元入金」は、そもそも事業主が事業を始めるにあたって事業に投入したものです。
(その意味では「事業主借」と同じです。)
元々事業に投入したもの(元入金)から、生活費などとして事業資金を引き出したもの
(事業主貸)をマイナスし、追加投入分(事業主借)をプラスし、稼いだ利益を上乗せした
ものが、翌年分のその事業者の元手となります。
ここまで、「事業主貸」と「事業主借」を区別して説明をしてきましたが最終的には
どちらに計上しても「元入金」に集約されます。
あまり厳密な区分をしなくても問題にはなりません。