ここ数年「決算書を読める」ようになることがビジネスパーソンの基本スキルとなりつつあります。
書店に行けば、決算書を読めるようになるための書籍がたくさんあります。
いろいろな著者がさまざまなアプローチを試みて、決算書を読むということを解説しています。
決算書を読む、決算書を経営に活かす、などという場合には、決算書の分析などが行われます。
経年比較や比率分析などを行うことにより、
会社の財務内容をさらに深く把握することが可能になるのです。
しかし、これらの前提となっているのは、「決算書が正しく作られていること」が大前提です。
貸借対照表の計上されている資産はすべて存在しますか?
その資産の計上額は適正ですか?
他にもいろいろありますが、上記の2点が最重要項目です。
財務諸表分析を行う際に、売掛債権回転率や棚卸資産回転率などを算出しようとしても
売掛金の個別管理を怠っていたり、実地棚卸をさぼっていたりしたら
そこで算出された数値は意味のない数字になってしまいます。
多くの場合は、売掛金や棚卸資産の帳簿上の金額(貸借対照表に計上されている金額)は
実態の金額よりも大きい金額で計上されています。
このような数字を使って回転率を求めても実態よりも低い数字が算出されます。
そしてその算出された数値には何の意味もありませんし、経営の指標にもなりません。
分析に耐えられる決算書の作成は、自社で基準を設けて、
その基準を厳格に適用することで達成できるのです。