枚方市の税理士三木博人です。
固定費は、教科書的には「売上に連動することなく発生する経費」と言われます。
ただし、現実的には売上が倍になったらさまざまな固定費が増加します。
(もしかすると経費は倍増以上かもしれません。)
営業スタッフの数を増やせば人件費が増加します。
スタッフが増加したら、オフィスを新たに借りる必要があります。
設備投資を行えば、借入が増加します。
また、人件費などは定期的に昇給していれば、どんどん増加していきます。
そして、これらの経費はいったん増加すると削減するのが大変難しくなります。
倍増した売上が半減したら(元に戻ったら)、固定費は元の金額に戻るでしょうか?
残念ながら、元の金額には戻りません。
固定費は売上に連動して増加するのに、売上に連動して減少してくれないといっても
いいかもしれません。
「固定費は売上の増減に関係なく一定額発生する」という定義を鵜呑みにしていると
固定費の増加を見逃すことになります。
多くの業界では、今後右肩上がりの売上増加を期待できないと思われます。
経済危機や天災など、何らかの事情で売上が激減する可能性もあります。
このような環境で生き残るためには、固定費の増加に敏感になる必要があります。
過去には「売上の増加で解消できる」ということもありましたが、これからの世の中では
そのようなことはありません。
しかし、これからの世の中でも固定費は放っておくと増加する一方です。
現在固定費がいくらかかっていて、どれくらい増加しつつあるかを把握するように
しましょう。