枚方市の税理士三木博人です。
株式会社で配当をすることが可能な財源がある場合、株主に対して配当を
することができます。
配当をすることが可能な財源のことを「分配可能額」といいます。
(算定方法は少々ややこしいです)
「株主=経営者」となっている中小零細企業では、利益が出た際に配当を
実施することもできます。
ただし、配当をすることは以下のように税金の計算をする上で
不利になることが多いです。
(配当をする会社側)
配当すると、配当金を支払った会社側では経費になりません。
(配当を受け取る株主=経営者側)
もらった方の株主側では「配当所得」として課税されます。
配当所得は差し引ける経費があまりないため、配当収入にそのまま
所得税がかかります。(配当控除を受けられる場合もありますが)
さらに、配当を実施すると会社の株価評価上プラスの要素になります。
株価が上がるというのはよいことのようですが、例えば株式を相続する場合などは
株価が低ければ相続税が低くなりますが、株価が高ければ相続税が高くなります。
株式を子供などに贈与する場合でも、株価が低ければより多くの株を
贈与することができます。
配当という形ではなく、株主=経営者となっている人に対して、一時的に利益を
配分するのであれば、「事前確定届出給与」を利用することもできます。
この方法を使えば、株主=経営者となっている人に対して、ボーナスを出すことができ、
またその金額を支払った会社で費用(損金)にすることができます。
もらった側でも給与所得として給与所得控除後の金額に対して所得税がかかるため
配当所得よりも有利になります。
(給与所得控除には上限が設けられましたので、上限の人は必ずしも有利ではありません)
ただしこの方法は、株主≠経営者という人には適用できません。
(役員として経営されている人に限られます)
また「事前確定届出給与」は、定時株主総会+1ヶ月以内(多くの中小企業であれば
事業年度開始から3ヶ月弱)に届出を行う必要があります。
届出に記載した金額を記載した日に支払うことで、損金として認められることになります。
枚方市の税理士 三木博人税理士事務所(大阪府枚方市)
※適用要件などを詳細に書くとわかりにくくなりますので、省略している部分があります。
正確な適用要件などは、顧問税理士等にご確認ください。