枚方市の税理士三木博人です。
貸借対照表の左側は資産です。
中小零細企業の貸借対照表では、資産が実際よりも多く計上されることがよくあります。
どのような場合にそのようなことが起こるのでしょうか?
あまり儲かっていない会社では、資金調達のために無理にでも黒字にする場合があります。
黒字化(?)の方法としては、以下のようなものがあります。
・減価償却をしない
・期末棚卸資産を過大評価する
・経費や損失を先送りする
・売上を架空計上する
これらのテクニックは、本来は会計ルールを逸脱していますが、会計監査を受ける
必要のない中小零細企業では当たり前のように行われます。
これらを行うと損益計算書は黒字化します。
つまり、損益計算書の見栄えはよくなるのです。
しかし、貸借対照表は実態よりも資産が大きくなります。
減価償却をしなければ、貸借対照表に計上された固定資産の金額は大きくなります。
期末の棚卸資産の過大評価でも貸借対照表に計上する棚卸資産の金額は大きくなります。
経費を先送りすると仮払金や貸付金という科目で計上されます。
これらが「資産」であるかどうかは疑わしいです。
(回収できるかどうかで判断されますが、回収可能性は極めて低いです)
売上を架空計上すると売掛金が計上されます。
この売掛金は入金されないので、いつまでも貸借対照表に計上されています。
このように計上されている金額が過大である、又は中身がないものがある、という
状態となります。
損益計算書の見栄えを取り繕うと貸借対照表に影響が出ます。