枚方市の税理士三木博人です。
「有税償却」とはどのようなことをいうのでしょうか?
会計のルールと税務のルールが異なるために起こることです。
会計上は費用にしても、税務上は費用にできず、会計上の利益に対して税務上の費用を
足した金額に税金がかかる(結果として税金をたくさん払うことになる)ことをいいます。
会計上は利益が少なくなるのに税金が少なくならないということで「有税」償却といいます。
ちなみに「償却」というのは、資産を減らして費用にするイメージです。
固定資産を減らして、減価償却費を計上する、売掛金を減らして、貸倒損失を計上する、
というのが「償却」のイメージです。
反対に会計上の利益が少なくなって、税金も少なくなる場合は「無税償却」といいます。
会計上費用にしたものが、税務上も費用にできる場合は無税償却です。
「無税」といっても、償却をしても利益が出ている場合は税金が発生します。
会計上の利益が少なくなるのに、税金が少なくならないので、会計ルールを
順守する必要のない中小零細企業では、有税償却はあまり行われません。
税務のルールで会計上の費用計上をしている場合は、有税償却にはなりませんが
貸借対照表が実態から乖離してしまいます。
健全な決算書(特に貸借対照表)を目指すのであれば、有税償却を行う必要があります。