枚方市の税理士三木博人です。
前回、前々回などでも見たように、お金を使わずに稼いだ利益を消す(=費用を計上する)
方法はありません。
バックリベートや架空経費などは、「脱税」(受け取ったリベートを申告すれば脱税
ではありませんが)になります。
結局のところ、稼いでしまった利益にかかる税金は、会社で払うか、個人で払うか
ということを選択するくらいで、利益自体を消すことができる訳ではありません。
一般的に、会社の税率は低く設定されています。
ただし、個人の税率の方が低い場合もあります。
反対に個人の税率のうち、高額所得部分の税率は高くなります。
個人で低い税率を適用しようと思えば、複数の人に分散すればそれぞれで低い税率を
適用することができます。(この分散は無制限にできるわけではありません。)
この税率差を検討して、誰(会社と個人)がどれくらい税金を払うのがトータルで
一番有利か、ということをシミュレーションするのが節税対策の基本であると
私は考えています。
どれくらいの利益を上げることができるか、ということをシミュレーションしたうえで
役員報酬の額を決める、ということをすると会社に残る利益にかかる税金と個人が
負担する所得税がいくらくらいになるかがわかります。
個人事業者の場合は、税金を負担する主体が自分のみなのでこのような検討を
行う余地がありません。
この状況で多額の利益が出た場合、選択の余地なく個人で所得税と住民税を
負担することになります。
事業所得が400万円から500万円くらいをコンスタントに出せる規模になれば
法人成りを検討してもよいと思います。
継続的に事業を行う(あと2、3年で事業をやめるという予定がない)場合であれば
法人成りすると選択肢が増えます。