枚方市の税理士三木博人です。
前々回は法定福利費と福利厚生費の違いについて述べました。
法定福利費は、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、労働保険料などの
支払のうち、事業主が負担する部分の金額です。
健康保険、介護保険、厚生年金などは会社と従業員で半分ずつ負担します。
会社の負担となる部分が「法定福利費」として処理されます。
法定福利費は、法人税を計算する際には「全額」が
「損金」=儲けから差し引くことができる→法人税が少なくなる、というものです。
また、従業員負担分については、従業員の所得税と住民税の計算をする際に
「社会保険料控除」として「全額」が所得から差し引かれます。
上記のいずれにもあるように「全額」が経費になったり、所得控除の対象となる
というのは大変有利な取り扱いです。
ちなみに生命保険料の場合は、契約によっては保険料が全額損金に
ならないものもあります。
従業員の所得控除についても、最高で12万円までとなっており、全額が所得控除の
対象とはなりません。
もちろん、保証の内容なども全く異なるので単純な比較はできませんが、「節税」の
目的では社会保険料を支払うというのはかなり適しています。
社会保険料の支払は、税金の支払のような気がしますが、節税ということで言えば
かなり有利です。
ちなみに法人税や所得税の支払は経費にはなりませんので、いくらたくさん払っても
「節税」にはなりません。(たくさん払っている時点で「節税」ではありませんが)