消費税が5%から8%になった場合でも、消費税増税分を売上に完全に転嫁できた場合には、利益金額への影響はありません。(前回と前々回で検討しました)
では、資金繰りはどうなるでしょうか?
増税前には税抜10,000円の売上の際に10,500円だったものが10,800もらえることになります。
収入としては300円の増加となります。
一方で、仕入や経費の支払では6,300円だったものが6,480円となります。
支出は180円の増加となります。
以上を差引すると120円の資金が手元に残ることになります。
通常は、売上よりも仕入や経費のほうが金額が少ないため増税するとお金は一時的にプラスになります。
しかし、納税額は200円だったものが320円に増加するため、120円のマイナスになります。
増税による納税額の増加(今回の例でいうと120円部分)については、決算後2か月たってからの納税になるので
「収入の増加が先、支出の増加が後」という状態になり、資金繰りにはプラスに働くことになります。
ただし、このような前提が成り立つには、完全に価格に転嫁できていることが前提となります。
さらに消費税増税により消費が冷え込み、売上が落ち込んだ場合には、このようにうまくいくとは限りません。
また実際には、消費税がかかる経費とかからない経費があり、このような単純な計算にはなりません。
消費税がかかるか、かからないかを判断するのは、少しだけ専門的な知識が必要になります。
消費税の納税義務者になるくらいの規模(売上が1,000万円を超えるくらい)になれば、税理士に頼むということも検討してみてもよいかと思います。