枚方市の税理士三木博人です。
貸借対照表は、右側と左側に名前(勘定科目といいます)と金額が記載されます。
貸借対照表の右側は、資金の調達源を表しています。
「資金の調達源」というのは、「誰が提供してくれたお金か」ということで分類します。
貸借対照表の右側は、「負債の部」と「純資産の部」から成り立ちます。
負債の部は、外部から借りてきたお金や支払いがまだ終わっていない状態のもの
(いずれ支払わなければならないお金)です。
いずれにしても将来、返済(支払)をする必要のあるお金です。
純資産の部は、株主から出資を受けたお金と過去に会社で稼いだ利益です。
前者を「資本金」「資本剰余金」、後者を「利益剰余金」といいます。
(純資産の部には他にもあるのですが、中小零細企業ではほとんど出てこない
のでここでは省略します)
純資産の部で調達したお金は、返済をする必要がありません。
中小零細企業では、「株主=社長(またはその家族など)」ということが多いので
「株主から増資で資金を調達する」ということはあまり行いません。
増資をするには、手続きが面倒(登記をする必要があるためコストと時間がかかる)
なのです。
会社のお金が余ったからといって、お金を株主に返す(減資する)場合でも
手続きがとても面倒です。
株主からの出資という手段を採ることができないため、返済の必要のないお金で
資金調達するのであれば、利益を出し続けるしかありません。
「株主=社長」という会社には、負債と純資産の中間に位置する「役員借入金」
というものがあります。
「中間」と書きましたが、役員借入金は、貸借対照表では「負債の部」に計上されます。
しかし、オーナー社長が自分の会社にお金を貸す(会社からみた場合、お金を借りる)
という場合、返済については厳しく求められるわけではないため、株主からの出資と
同じようなものである、という見方もできます。
貸借対照表では負債ですが、性質は純資産(株主からの出資)に近いということです。
増資や減資と異なり、面倒な手続きがいらないので頻繁に行われます。