枚方市の税理士三木博人です。
利益が出ているのにお金がない、という状況はよくあります。
この状況は、「利益とキャッシュとは違うため、このような不一致が
起こりうる」という説明がなされます。
利益とキャッシュの違いが最もよく出るのは、借入の返済です。
借入の返済は、元金+利息の金額を支出しますが、元金部分は経費ではありません。
返済した金額のうち、利息部分は経費となって利益が減りますが、元金部分は
利益計算に影響がありません。
借入の返済の原資は利益です。
利益を出して、その利益と同額の借入返済をした場合、利益から差し引かれる
経費は利息部分のみです。
お金は元金+利息分が減っているのですが、元金の返済部分は
利益から差し引かれず利益として計上されます。
これが、「お金がないのに利益が出ている」という状況です。
利益が出ていると、その利益に対して法人税などの「利益にかかる税金」
がかかります。
お金がないのに税金がかかる、ということを避けたいがために「節税」に
勤しむ経営者の方が多いのですが、この「節税」が曲者です。
「節税」とは、基本的に「経費を買う」ことです。
キャッシュアウトを伴わない「節税」手法はありません。
この場合問題なのは、「返済額に対して利益が少ない」ということです。
節税の研究をするのではなく、利益を最大化することを研究しなければ
ならないのです。
粗利益率をアップさせるにはどうしたらよいか、満足度を下げずに経費を
抑えるにはどうしたらよいか、など考えるべきことはたくさんあります。
これを考え続けるということが経営者の仕事です。