三木博人税理士事務所
大阪府枚方市大垣内町2-8-8 マイティビル5階

HOME > 三木博人オフィシャルブログ > 「記帳」というスキル

三木博人オフィシャルブログ

「記帳」というスキル

2013年11月15日

平成26年からは、不動産所得、事業所得がある人は記帳義務が課せられます。 (不動産所得、事業所得がなくても記帳しなければならない人もいますがややこしいのでここでは割愛します)

そもそも、取引を記録する「記帳」という作業は、 1.取引を分類して記録する(どの勘定科目を使うかを決める) 2.記録した情報を転記する 3.転記した情報をそれぞれ集計する ということを行います。
この「分類」「転記」「集計」を繰り返して1年間の取引を決算書にまとめます。 手書きで記帳をする前提であれば、これらの作業はとても大変なものになります。 しかし、会計ソフトを使用すれば、「分類」さえきっちりできると、後の「転記」「集計」は自動的にやってくれることになります。 取引の数が少ないのであれば、エクセルでも対応できます。

かつては、「記帳」というのは大変なスキルを要する職人芸でした。 取引 を一つ一つ「振替伝票」という小さな紙に書いて、その中で同じ勘定科目のものを左側(専門用語で「借方」といいます)と右側(同じく「貸方」といいます)で集計して、補助元帳に転記をして、また集計してといったように、莫大な手間をかけて集計していました。(私はそんな時代のことは直接は知りませんが) しかも、電卓ではなくソロバンを使って集計したりしていたら、「ソロバン+記帳業務」という二つのスキルが必要になるため、これができる人というのは人材価値が高かったと想像できます。

しかし、パソコンの処理能力が上がり、会計ソフトの使い勝手もよくなり、これらのスキルは必要なくなってしまいました。 「転記」や「集計」などは、どれだけ優れた人間よりもコンピュータのほうが得意なわけですから。 会計ソフトを前提とした記帳の場合は、どの勘定科目を使うかを決めれば、後は自動的に貸借対照表や損益計算書ができます。

現代では「記帳業務」というのは、「仕事」というよりは「作業」になっているのかもしれません。 手軽に処理できるようになったので自分でやるというのも一つの考え方ですし、「作業」であるから安い業者に外注するというのも考え方です。 記帳業務をどれだけ正確にやっても利益を生むわけではありませんし。

パソコンの操作が苦手でない人は、ぜひとも会計ソフトやエクセルで記帳をされることをおすすめします。 特に今は、利用料が安くて便利な会計ソフトも出ています。   もちろん、パソコンが苦手で取引がそんなに多くないのであれば手書きで記帳するのもよいと思います。