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日商簿記3級と会計ソフトによる記帳

2013年11月18日

昨日(平成25年11月17日)は、第135回日商簿記検定試験でしたので、簿記学習と記帳についてです。
日商簿記3級の検定は、個人事業者の処理を前提とした試験になっています。
個人事業者が会計ソフトを使って自分で記帳を行う場合、簿記3級の勉強をすることは有効でしょうか?

簿記3級の範囲で役に立つことと役に立たないことを検討してみます。
ちなみに私は「借方」「貸方」という言葉が大嫌い(苦手?)で、「左側」「右側」という言葉を使用しています。

☆役に立つ部分 ・基本的な仕訳や勘定科目の処理が理解できる。(お金をもらったら左側、お金を払ったら右側など)
・顧問税理士と話をするとき便利(これは我々税理士のメリットですが)

★役に立たない部分
・販売業を前提としているため、製造業やサービス業の処理がマスターできない。
・手形取引、小切手など小規模の個人事業者があまり使わない取引がよく出てくる。
・個人商店が前提なのに、なぜか「資本金」など会社で使用する勘定科目が使われるため混乱する。
・会計ソフトで使用する「事業主貸」「事業主借」という科目が出てこない。(「資本金」や「引出金」という科目を使っています)
・買ってきたものが資産になるか、経費になるかわからない。(簿記3級では明示されるため)

など、思いつくままにあげてみました。

実際の検定試験では、最近はかなり実用の部分を重視しており、良心的な問題となっています。
(世の中の進化にある程度対応していると思います)
ただし、市販されている日商簿記3級のテキストや問題集は相変わらず手書きの帳面を前提とした内容になっており、内容が古いものもみられます。

すべてとは言いませんが役に立つ部分もかなりあります。
役に立たない部分を理解したうえでそれを補う必要があります。
また、誤解していただきたくないのですが、簿記3級を目指すことが無駄であると言っているわけではありません。
簿記学習の入り口としては適切な難易度で適切な学習ボリュームだと思います。
資格を保有するということはそれなりに価値があることだと思います。
ここでは、あくまでも個人事業者が記帳を行う上で、どの程度役に立つかを検討しているのです。

会計ソフトを使って自分で記帳しようとしている個人事業者にとってのメリットとデメリットについては、日を改めて詳しく見ていきます。