前々回は、在庫の廃棄をする際の留意点について述べました。
なぜ、税務調査で在庫の廃棄を詳細まで調べられるのでしょうか?
在庫の廃棄を帳簿上だけで行うことで、簡単に利益操作ができてしまうからです。
在庫を「捨てたことにして」棚卸廃棄損を計上すれば、利益を圧縮することができます。
利益の圧縮で税金も抑えることになります。
また、廃棄したことにした在庫を実際には捨てずに、帳簿外で持つことにより、
「簿外在庫」とすることができます。
この簿外在庫を売却すれば、会社の帳簿外の売上収入を作ることができます。
ここで得られた収入(お金)は、簿外のお金になります。
これは裏金と呼ばれるものです。
もちろん「捨てたことにする」というのは、立派な脱税行為です。
事実でない処理をしているので、発覚した場合、大きなペナルティを
受けることになります。
調整をしやすい項目であるので、慎重に証拠を残しながら廃棄を行う
ことが重要になります。