日商簿記3級の学習は、有効な部分はあるものの、無駄な学習項目もあることがわかりました。
次に、簿記3級の学習で足りない点は以下の点です。
・「事業主貸」「事業主借」「元入金」の勘定科目の意味と使い方
・初歩の税務知識(記帳の主目的が税金の計算なので税金の知識がないとお話になりません)
簿記3級では事業主が生活費(プライベートのお金)を事業用にした場合に、「資本金」を増額させます。
また、事業用のお金を生活費に回した場合に、「資本金」を減らすか「引出金」という科目を使います。
「引出金」は期末に資本金の減少として処理しますので、結果的には「資本金」「引出金」のいずれを使っても同じことになります。
しかし、会計ソフトでは「事業主貸」「事業主借」「元入金」という勘定科目を使用します。
「事業主貸」とは、事業主が事業用のお金を生活費に回した場合に使用する科目です。簿記3級でいう「引出金」のようなものです。
「事業主借」は、事業主が生活費を事業用にした場合に使用する科目です。簿記3級でいう「資本金」のようなものです。
このように役割は同じものなのですが、会計ソフト上では簿記3級で学習した名前で出てこないので、最初は戸惑うと思います。
また、事業主が生活費と事業用のお金をやり取りするという点についても、なかなか理解するのが難しいです。
この点は、会社と個人のやり取りを参考にするとわかりやすくなります。後ほど検討してみることにします。
また、初歩の税務知識とは、
たとえばパソコンを12万円で購入した場合、
備品で処理すべきか、消耗品費で処理すべきかというときの正しい処理方法を知っておくということです。
(青色申告・白色申告で結果が異なります)
このほかにも、初歩の税務知識についても後日まとめてみることにしてみます。
以上をまとめると、自分で記帳する場合、
・簿記3級の内容の一部
・個人事業者独特の処理方法
・少しだけの税務知識
があれば十分対応できると思います。
繰り返しになりますが、私は日商簿記3級を受験することが無駄だと言っているわけではありませんのであしからずご了承ください。
日常の処理に関しては、簿記3級の知識があれば十分に対応できます。
また、日商簿記3級は個人事業者を前提としていますが、法人の記帳を行う上でも十分に役に立つ内容です。
個人事業と変わらないような法人(社長と株主が同じ人で従業員も身内だけ、といったような法人)では、
簿記3級の日常的な処理に加えて、社長と会社でお金をやり取りした場合の処理をマスターすればほとんどのことに対応できます。
なので、手っ取り早く会計ソフトをマスターしたい人は、簿記3級のうち必要な個所だけを参照しながら、足りないところを補っていけば十分です。
それでもわからないところは、税務署に聞くと親切に教えてくれます。
特に減価償却などは、税務署に行って教えてもらうのがいいと思います。
減価償却が必要な資産の購入はそう頻繁に起こることではないので。