三木博人税理士事務所
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三木博人オフィシャルブログ

会社のお金を引き出したら

2013年12月2日

・会社から給料をとっているが、足りないから会社の預金から生活費を追加で引き出した
・会社の預金からお金を引き出して何かの支払いに充てたが、領収書をなくしてしまったので何に使ったかわからない
という場合にどのようになるのかを見てみます。

会社から給料(役員報酬)以外のお金を引き出すと、会社から社長にお金を貸したという処理になります。
(そのほかにも給料を追加で支払った、ボーナスを出した、などの処理もありますが)
会社と社長は別人格だからです。
会社のお金は社長のお金ではありません。

社長のお金を会社のために使った場合は会社の借入金になり、
会社のお金を社長の個人的なことに使った場合は会社の貸付金になります。

会社が誰かにお金を貸す場合、利息をとらなければなりません。
会社の税金を計算する法人税の世界では、
「会社は儲けるために存在するものなので、お金を貸すのであれば対価として利息をもらうはず」
という仮定のもとに、利息の計上を求められます。

利息の計上は会社で利益になる(税金を取られる)、利息を払う社長は利息を経費にできない、
ということで、会社も個人も税金の支払いについては、とても不利な取り扱いになってしまいます。

また、会社の預金口座からお金を引き出して支払いに充てたものの、
領収書をなくしてしまった場合、どのようになるでしょうか?
領収書をなくしたのではなく、会社のお金を使ったものの、何に使ったかをはっきりさせたくない
場合ということもあります。

これらのケースでは、預金残高は減っていますが、何に使ったか不明ですので、
とりあえず「仮払金」のような科目で処理されます。
ひどいケースでは、預金を引き出して「現金」を持っているという処理にする場合もあります。

このような処理が積み重なってくると「仮払金が数千万円!」とか「現金残高が巨額!」となります。
そして、本来経費として支払っているのに、経費に計上されていないということで、
実態よりもかなり業績がよくなります。(これは粉飾決算です。)

ということは、本来支払わなくてもよかった税金を支払うことになり、実態の財務内容は悪化します。
このような処理は、本来は粉飾決算になるのですが、会計事務所が「とりあえず」このような処理をすることはとても多いのが実態です。

税理士 三木博人