枚方市の税理士三木博人です。
3月決算の会社は期末を迎えます。
期末あたりで大きな買い物をした場合の留意点を申し上げます。
期末で大きな買い物をする場合、法人税の「節税」を意識してされることが多いと思われます。
この「期末大量購入→節税」という行動には注意が必要です。
法人税の計算では、基本的に「買ったとき」ではなく、「使ったとき」に損金(経費)になります。
ただし、月に10個買って10個使うものを継続的に10個ずつ買っていたら
いちいち使っていないものの個数を把握することをしなくても、例外的に買ったときに
買った金額を損金(経費)にしてもよいということです。
これについては、事務用品や包装資材などの消耗品とではこのような考え方をとります。
棚卸をするほどではない程度のものである場合の例外的な考え方です。
継続的に同額(同量)程度を購入している限り購入時に損金(経費)となりますが、
期末だけ大量に購入しても、ストックされている未使用部分は損金(経費)になりません。
つまり、期末だけたくさん買っても節税にはならないということです。
ちなみに、収入印紙や切手などお金に近いものについては、買ったときに経費になると
いう例外規定はなく、使った分だけを損金(経費)として、ストック部分は継続的に把握し、
「期首残高+当期購入高-期末残高」という算式で使った分を計算することになります。
収入印紙や切手を多く使う会社では、受払について継続的に記録し、期末には実際の
残高をカウントして実際の使用量を把握する必要があります。
収入印紙や切手は、換金性が高いので社内で不正が起こりやすいため税金の計算の
ためだけではなく、ちゃんと管理しているということを内部でわかってもらうことためにも、
このような管理をする必要があります。