枚方市の税理士三木博人です。
節税に興味を持つ経営者の方はたくさんいらっしゃいます。
しかし、なぜ節税が必要なのか、という基本的なことを忘れていると税金の支払いを
軽減できていても、結果的にお金が減ったということになります。
節税が必要なのは、会社にお金を残すためです。
そのためには、税金の支払は最小限にする必要があります。
しかし、節税は会社にお金を残す方法のうちの一つの方策でしかありません。
ところが、税金を納めることを異常なほどネガティブに考える経営者の方は、
何とかして税金の支払を抑えようとします。
そのために、本来必要でないものを購入して「節税」したことに満足します。
必要なものか不必要なものかの判断は難しいです。
しかし、「どうしても節税したい」と考える経営者の方は通常よりも買い物の基準が
甘くなります。
普段なら買わないようなものを「節税」ということで購入したりします。
このように書くと「必要のないものなど購入するわけがない」と思われるでしょうが
利益が出てしまうと(「出てしまう」という言い方が消極的なのですが)、冷静さを
失ってしまいます。
節税の対策としては、業績を期中からしっかり把握して、法人税などがいくらくらい
かかりそうかをシミュレーションする、必要な投資の前倒しを検討する、という
くらいがせいぜいです。
お金の支出を伴わないで、納税額を抑える方法はありません。
遊休固定資産の除却や不良在庫の処分なども過去のムダな支出(結果論ですが)
の清算ということであって、お金は過去に出ています。
会社にお金を残すためには、「節税」という名のムダ使いをするよりも税金をさっさと
支払って、儲けるための打ち手を考えるほうが健全です。