枚方市の税理士三木博人です。
税務調査でたまたま見つからなかった項目があったとします。
これは、たまたま税務調査の対象にならなかっただけで、税務署のお墨付きを
もらったわけではありません。
また、前回の税務調査では問題にされなかったことを今回指摘された場合、
「前の税務調査では言われなかったのに」ということを言っても仕方ありません。
前回の税務調査で指摘されて検討した結果、問題なかったというくらいの案件であれば
「前回の税務調査では問題なしという結論だったのに」と言ってもいいかもしれません。
しかし、前回の税務調査で指摘されず、問題にならなかったということは「税務署がOKした」
ということではありません。
税務調査は毎回異なる視点で調査しますし、全ての項目を網羅している
わけではありません。
税務署に指摘されなかったからといって、その処理がOKであることが
確定したわけではないということです。
税務調査の際に「前の税務調査では言われなかったのに」と調査官にしつこくいうと
「ならば前回の調査からの処理を否認します」といわれることもあるので注意が必要です。
その処理が本当にOKであるといえるのは、裁決事例などでOKという判断が出た場合
をいうのであって、個々の税務調査で完全に白黒が決まるわけではありません。