三木博人税理士事務所
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三木博人オフィシャルブログ

お金がないのに利益が出ている

2015年6月17日

枚方市の税理士三木博人です。

お金がないのに利益が出ている、ということがよくあります。

売上がすべて現金、仕入もすべて現金、経費の支払もすべて現金、というスタイル
であれば、「損益計算書の利益=お金が増えた分」ということが
わかります。

しかし、このような商売はあまりありません。

お金をもらっていないのに収益(売上)になることや、お金を払ったのに経費にならない
ことがあると、損益計算書上で利益が出ていてもお金が増えたことには
なりません。

お金をもらっていないのに売上を計上するケースはよくあります。

代金後払いで販売するということは日常的に行われます。

特に、事業者同士で取引をする場合は、多くが代金後払いです。

しかし、売上は出荷時、納品時などお金が入ってくるよりもはるかに早いタイミングで
計上しなければなりません。

お金を払ったのに経費にならないケースもよくあります。

商品を仕入れた場合、仕入代金の支払が終わっていても、利益を計算するうえでは
仕入れた商品が売れるまでは経費(売上原価)にはなりません。

商品を仕入れるという商売以外でもこの「売れるまで経費にならない」という
ロジックが適用されます。(売れなかったものを捨てた場合は経費になります)

システム開発をする会社では、開発にかかわった人の人件費なども売れるまでは「在庫」
扱いになり、システムが完成して引渡があったタイミングで在庫から
売上原価になります。

建設業などの工事についても同様に、工事にかかった材料費、人件費、外注費など
をいったん在庫としてプールして、完成引渡があったタイミングで売上原価になります。

他にもお金を払ったのに経費にならないケースとして、借入金の元金部分があります。

借入の返済については、利息と元金を合わせて返済しますが、元金部分は
経費にはなりません。

また、事務所やお店を借りる時に支払った保証金も経費にはなりません。

このような要素がたくさんあると、お金がないのに利益が出ているということが起こります。

この場合、お金の管理(資金繰り)と利益の管理(いくらくらい儲かって、どれだけ
税金の支払がありそうか)の両方が必要になります。

枚方市の税理士 三木博人税理士事務所(大阪府枚方市)