枚方市の税理士三木博人です。
前回は、お金がないのに利益が出ているパターンを見ました。
一般的な営業サイクルでは、
①商品仕入→②仕入代金支払→③商品を在庫として保有→④商品販売→⑤代金回収
という流れになります。
製造業であれば、①の商品仕入が材料の仕入、②の支払が、材料代の支払、
労務費の支払、外注費の支払などに該当します。
いずれにしても、お金が先行して出てしまい、代金の回収が後からになることが
一般的です。(前金ビジネスなどであれば先にお金が入ってきますが)
しかも、商品を調達してきたからといって、それがすべて売れるとは限りません。
売れないというリスクも抱えています。
もし売れなかった場合、代金の回収がなく、仕入代金の支払だけが発生します。
また、保有することで倉庫代などの保管コストなどがかかり続けています。
売れなかった在庫を保有し続けていると、お金を払ったのに費用にできない
状態になります。
利益を計算するうえで、在庫は買った時ではなく、売れた時に経費になるからです。
本来は在庫の価値を下げる(評価損を計上する)ということをすべきなのですが
中小零細企業ではそのような処理を行うことは稀です。
このように不良在庫を抱え続けていると支払だけが行われますが、費用が発生しません。
お金がないのに費用が発生しないため、場合によっては利益が出てしまう要因となります。