枚方市の税理士三木博人です。
前回は、不良在庫を抱え続けた場合の影響について述べました。
不良在庫を廃棄すると、一時的には多額の損失を計上することになります。
損益計算書で見ると赤字決算となる可能性もあります。
赤字になると融資が受けられない、などの理由で不良在庫の処分を先送りにするという
経営判断を下すこともあります。
このような不良在庫が多額になってくると、損益計算書上利益が出ていても資金繰りは
大変苦しい状況になります。
また、損益計算書で利益が出ていると、利益に対してかかる税金(法人税、住民税、
事業税など)がかかります。
資金繰りが苦しい中でこのような税金の支払は大変困難です。
また、「消費税は黒字だからかかる税金」ではないので、赤字の場合でも多額の
支払が発生します。
このような場合に、仕入債務の支払い、借入の返済、経費の支払、税金の支払などが
滞っていくと、事業の継続が困難になります。
不良在庫(=価値のない資産)を資産計上し続けることで、損益計算書上黒字を計上
していても、最終的に支払いができなくなれば倒産することになります。
一言で「倒産」といってもいろいろな形態があるので、一概には言えませんが今までの
状態では事業を継続できなくなることを指すことが多いです。
損益計算書で利益を計上することはできても、問題の先送りをしているだけであれば
最終的には黒字倒産になる可能性があります。