枚方市の税理士三木博人です。
「会計上」と「税務上」の取扱には、違いがあります。
これは、会計と税務で目的が違うからです。
会計は、株主や債権者(お金を貸してくれた人など)に対して、状況を報告する
ためのルールです。
税務は、税金を取るためのルールです。そのためには、「公平」であることが重視されます。
会計ソフトに入力する(記帳する)というのは、主に「会計上」の考え方が反映されます。
しかし「税務上」の考え方を織り込んだ処理をしなければならない場合もあります。
税務の処理が単独で行われるのではなく、会計の記録をベースにしてそこに税務の
考え方を織り込むという方法を採っているからです。
本来、会計の処理には「見積」という要素が入ります。
固定資産を何年使うか、売掛金が回収できる可能性はいくらあるか、次のボーナスを
いくら出すか、などさまざまなことを「見積もり」ます。
しかし、この「見積」には会社によって差が出ます。
会社によって「見積」に差が出ることで、計上する金額に差が出てしまいます。
そうなると、税金を払いたくない会社は、費用が大きくなるように「見積」をします。
このように「見積」に差があると、税金をたくさん払う会社と払わない会社が出てしまい
「公平」が保てなくなります。
なので税務の規定には、「見積」ではなく詳細な決まりがあります。
このように「会計上」と「税務上」には、考え方の違いがあります。