枚方市の税理士三木博人です。
前回は、法定福利費と福利厚生費の違いについてまとめました。
「福利厚生」という意味合いではどちらも同じものです。
もう一度「福利厚生」とはどういうことかを確認します。
前回、「雇用される立場の人(一般的には「従業員」を指します)やその家族が
安心して生活できるように給料以外に提供するサービス」
という定義づけをしました。
ここで重要なのは、「雇用される立場の人」向けのサービスが「福利厚生」
であるという点です。
「雇用する立場の人」については、基本的に福利厚生サービスの適用除外です。
具体的に「雇用する立場の人」とは、個人事業主や社長などです。
また、上記の定義にあるように「従業員とその家族」向けのサービスなので
「事業主の家族」向けのサービスについても「福利厚生」ではないといえます。
社長さんとその家族だけの会社で「社員旅行」に行き、そのときにかかった費用を
会社の経費にしている場合は、経費として認められない可能性が高いです。
「可能性が高い」という書き方をしたのは、税法などで明文化された規定が
ないからですが、多くのケースでは経費としては認められていません。
さらに、従業員がいる場合であっても、従業員に均等に行われるサービスである
場合のみ「福利厚生費」となります。
会社で所有している保養施設の場合、従業員にも一律に使用できる権利がある
ということが原則です。
使用するしないはその従業員に決めてもらえばよいのですが、原則は全員一律です。
ただし、勤続年数や地位で優遇されるものがあれば、その優遇が非常識でなければ
サービスの提供に差があっても問題ありません。
オーナー社長の場合、福利厚生サービスについても自由に決定できるのですが
「自分寄り」のものは福利厚生としては認められない可能性があるので注意が必要です。