三木博人税理士事務所
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三木博人オフィシャルブログ

役員給与税制の問題点

2015年10月7日

枚方市の税理士三木博人です。

役員給与は、

①定期同額給与
②事前確定届出給与
③利益連動給与

のどれかに該当しなければ、税金の計算上は経費にできません。

利益から差し引くことなく税金の計算をするので、税金が多くなり不利になります。

②の事前確定届出給与は、事業年度が始まって3ヶ月以内(細かい要件によっては
異なる場合もありますが)に、支給時期と支給金額を「事前に」届けることで
税金の計算上経費にできるという制度です。

届け出た通りに支給しなければ税金計算上は経費になりません。

役員に支給するボーナスのようなイメージです。

③の利益連動給与は、利益を元にした指標などで計算をした役員報酬です。

これをするには、計算方法を有価証券報告書(上場企業が財務内容などを開示する
報告書)に記載する、などの要件を満たす必要があります。

一般的な中小零細企業が使える方法ではありません。

①の定期同額給与は、毎月の役員報酬が一定金額になるように支給するものです。

定時株主総会が行われるタイミングで変更することはできますが、それ以外の
タイミングでは変更することができません。

期の途中で大規模災害があったり、役員が病気になって職務内容が激変したり
した場合は例外的に変更が認められる場合がありますが、基本的には一度決めた
金額を変更することはできません。

中小零細企業では、①定期同額給与か②事前確定届出給与のいずれかを選択する
しかありません。

しかし、どちらも期中に業績が予想外に好調だった場合も不調だった場合も役員報酬を
修正する余地がありません。

著しい業績の悪化の場合には変更できる余地がありますが、要件はかなり厳しいです。

何か月も前に決めたことを修正できない、というのは経営にとっては大きな足かせです。

本来役員報酬というのは、同族会社であれば自分だけで決められることなのですが、
「定期同額」の縛りがあるので変更できない、という困ったことが起こります。

枚方市の税理士 三木博人税理士事務所(大阪府枚方市)