枚方市の税理士三木博人です。
前回のおさらいですが、会社が複数事業を行う場合、分社化して運営する、
会社の中の一事業部として運営する、という二つのパターンがあります。
事業部として運営する分には、成果の配分については、タイムリーに、
かつダイレクトに行うことができる点をみました。
しかし分社化パターンでは、同様の成果配分を行うことができません。
定期同額給与か事前確定度届出給与のいずれか(もう一つの利益連動給与省略します)
に該当しなければ、役員報酬を支払っても損金にならないのです。
3月決算の会社の場合、4月から9月まで(上期)の業績を評価してもその成果の配分は
翌事業年度に入ってから、定時株主総会が終わるタイミングとなります。
事前確定届出給与で成果に報いるのであれば、一時金という形で受取ることが
できますが、翌期の定期同額給与で報いるということになると、一時金を12等分
して、うすーく支払うことになります。
成果に対する報酬としてのインパクトに欠けるばかりでなく、今年の4月から9月までの
評価に対する報酬が翌年の7月以降でうっすら配分される、ということになります。
このような配分方法で事業責任者はヤル気がでるでしょうか。
しかし、この方法でなければ、役員に成果を配分した報酬を損金にできません。
ここには、脱税や利益調整の意図は一切ありません。
(利益を多く出したから多く成果を配分する、というのは「利益調整」ではありません。)
しかし、著しく成果の配分に制約が出ます。
企業再編税制や連結納税などの導入により、分社化して経営するということが容易に
なりましたが、役員給与税制がこんな感じでは本当の分社経営ができないと思われます。
枚方市の税理士 三木博人税理士事務所(大阪府枚方市)