枚方市の税理士三木博人です。
役員給与税制ができたきっかけは、今から2005年の会社法改正でした。
会社法の改正前(旧商法)では、株式会社を設立するのに資本金が
最低でも1,000万円必要でした。
有限会社(現在では設立できませんが)でも資本金は最低300万円必要であり
「会社を作る」という場合に、それなりにハードルが高かったのです。
しかし、会社法では最低資本金の規制がなくなりました。
会社を気軽に設立することができるようになったのです。
また「合同会社」という新たな会社も設立することができるようになりました。
合同会社は株式会社よりも低コストで設立することができ、役員の改選などについても
簡略化されているため、運営も低コストでできる点がウリとなっています。
個人事業をしていた人が会社を設立した場合、事業所得ではなく給与所得として
役員報酬を得ることになります。
法人税を払いたくない場合、役員報酬を増減させて利益調整をすることが可能になります。
それを防ぐために役員給与税制ができました。
原則として一度決めた役員報酬は年に1回しか変更することができなくなりました。
事業年度中にたくさん利益が出たからといって、役員報酬を増額することはできません。
外部環境の急変があっても役員報酬を変更することができないというのは
少々不便です。
会社の設立を容易にするという意味で、最低資本金がなくなったことはよかったの
ですが、会社にするとこのような役員給与税制があるため、報酬の配分に制限が
できます。