前回は、消費税の増税がどのように影響するかを税込経理でみました。
今回は税抜経理でみてみます。
税抜経理では、売上10,500円(うち消費税500円)の場合、決算書上の売上高を10,000円で計上します。
消費税500円については、「仮受消費税」という勘定科目を使って貸借対照表の負債の部にプールしていきます。
経費については、6,300円(うち消費税300円)の場合、決算書では6,000円で計上します。
消費税300円については、「仮払消費税」という勘定科目を使って貸借対照表の資産の部にプールしていきます。
そして、決算時にプールした「仮受消費税」と「仮払消費税」の差額を「未払消費税」として計上します。
税抜経理では、消費税部分を損益計算書に影響させないことにしています。
納税額は、税込経理の場合と同じになります。
税込経理と税抜経理の違いで納税額に違いは出ません。
損益計算書と貸借対照表の消費税に関連する部分のイメージは下図のようになります。
税抜経理にすると、売上高や経費についても増税前と増税後で変更はありません。
売上や経費に消費税がいくら含まれているかということを排除した経理方法だからです。
このように、消費税増税分を売上に完全に転嫁できた場合には、利益金額への影響はありません。
さらに言えば、税抜経理になると売上高や経費の金額も変わらないということになります。
(税込経理では増税分だけ売上が増加したように見えます)