枚方市の税理士三木博人です。
中小零細企業の経営者が自社の決算書を読む場合、注意しなければならない
点があります。
それは「決算書の数字が正確でない場合がある」という点です。
中小零細企業では、決算書を作る際に会計のルールを厳密に適用しない
ことがあります。
赤字になると融資してもらえなくなるから、黒字額が大きいと税金をたくさん
払わなければいけないから、などの理由で会計方針をコロコロ変えることも
あります。
会計方針を変えると過去の決算数値との比較ができなくなります。
「赤字になると困るから」という理由で、買掛金や未払金の計上をやめたら
どうなるでしょうか?
結果的には費用の先送りとなり、翌期の業績はマイナスからのスタートとなります。
先送りをした期では、費用が11か月分計上され、翌期では費用が13か月分
計上されていたりします。
これでは、決算書の前期比較が困難になります。
(比較しても意味がなくなります。)
上場企業であれば、公認会計士がのルールに則って決算書を作成しているか
チェックされます。
しかし、中小零細企業ではそのようなチェックがありません。
あるのは数年に一度の税務調査だけ、というケースが多いです。
さらに言うと、税務調査のため(税務申告のため)だけに決算をするので
決算書を利用するのは金融機関のみ、ということもあります。
このような場合に、自社の決算書を「読む」としても意味のある情報はありません。
自社の決算書を読みたければ、会計のルールに従った決算書を作成する
必要があります。