枚方市の税理士三木博人です。
会社の利益に対してかかる税金の割合を実効税率といいます。
諸外国に比べて、日本の実効税率は高いのでもっと下げるべきだ、という
経済界の声に応える形で、近年実効税率の引き下げが行われてきました。
そしてついに、2016年度からは実効税率が29%台になりそうです。
今回どのようにして税率を下げようとしているかといえば、法人事業税に
ついて「外形標準課税」部分を多くすることで、実効税率を下げることを
考えているようです。
「外形標準課税」は、会社の利益に対してかかるのではなく、資本金の大きさと
会社が生み出した付加価値にかかる税金です。
現在の法人事業税は、資本金が1億円超の会社については、外形標準課税が
適用されます。
資本金が1億円以下の会社については、外形標準ではなく、会社の利益に対して
課税されるのみです。
法人事業税のうち、従来なら利益にかかっていた部分を外形標準課税に
することで、実効税率を下げることができます。
「利益に対して課税する」というのは、赤字であれば税金がかからない、
ということです。
しかし外形標準課税では、赤字でも税金がかかってしまいます。
単純に減税となるわけではなく、赤字の会社にとっては増税となる可能税も
あります。
また、上記のように資本金が1億円超の会社が前提ですので、中小零細企業では
従来通りの取り扱いとなります。