枚方市の税理士三木博人です。
前回は貸借対照表の右側についてみました。
貸借対照表の右側は、会社のお金がどこからきたのか、ということを表しています。
負債の部は、外部から借りてきたお金や支払いがまだ終わっていない
状態のものです。
純資産の部は、株主から出資を受けたお金と過去に会社で稼いだ利益です。
貸借対照表の左側である「資産の部」は、何を表しているのでしょうか?
右側で会社に入ってきたお金をどのように使っているのかを表しています。
必ずしも形のあるものばかりではなく、権利のようなものも資産の部に含まれます。
流動資産と固定資産に分類され、資産すべての合計額を「総資産」といいます。
お金のままで保有していれば、現金や預金となります。
土地建物や機械などを買えば固定資産となります。
請求できる権利のある「債権」として、受取手形や売掛金なども資産となります。
一般的に、資産がたくさんあるということはよいことであると考えられます。
資産の部に計上されているものは、何等かの金銭的価値があるのもである、
というのが原則だからです。
反対に、価値がないのに計上している場合には、問題となります。
入金される可能性が低い売掛金、もう売れない在庫商品などが計上されていると
実態よりも会社の状態がよく見えます。
売掛金を貸倒損失として処理した場合や売れない在庫を廃棄処分した場合は
売掛金や商品(資産として計上していたもの)がなくなり、損益計算書に損失が
計上されます。
損益計算書に損失が計上されると、貸借対照表では利益剰余金が減少するため、
貸借対照表の総資産の金額が小さくなります。
左側の売掛金や商品が減少し、右側の純資産の部の利益剰余金が減少します。
このように価値がなくなった資産を処分することで貸借対照表をスリムに
することができます。
反対に処分しなければならない資産を処分せずに計上していると、経営の実態を
表すことができなくなります。