枚方市の税理士三木博人です。
前回は「決算書を分析する」前に行うべきことについて述べました。
異なるルールで処理されたものを比較しても意味がありません。
さらにいうと、決算書の数字の比率を算出することは「決算書の分析」ではありません。
(後で述べるように「比率」そのものには必要なものもあります。)
数字を比べて、変化している部分について、なぜそのような変化が
起こったのかを考えることが「決算書の分析」です。
この場合、会社の外部の人では「決算書の分析」ができません。
どのような事業活動をしたのか、ということは内部の人でないとわからないからです。
統一されたルールのもとで処理された数値を比較して、増えているか、減っているか、
なぜそのようになったのか、を考えることが「決算書の分析」だと私は考えています。
売上が減っているのに売掛金が増えている、売上が減っているのに在庫が増えて
いる、などという場合があれば比率で検討することが有効になります。
具体的には「売掛金回転率」や「在庫回転率」などの比率を算出する
ことになります。
重要なのは、比率を出すことではなく、数字の変化を追っかけてみて
説明がつくかどうか、ということです。
説明がつかない場合は、処理が間違えているか、知らない間に支出が
増加しているか、ということになります。
後者の「知らない間に支出が増加している」ケースには、従業員の
不正なども含まれます。