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現金支出を伴わない経費計上による節税

2014年5月9日

「現金支出を伴わない経費計上」による節税とは、どのようなものでしょうか?
例えば、

・不良債権の償却
・不良在庫の廃棄
・帳簿上残っているのに実在しない固定資産の廃棄
・貸倒引当金の計上

などです。

ただし、これらは現時点だけを見ると現金支出はありませんが、かつて購入した
もの(現金支出をしたもの)を廃棄する、入金がある前提であったものが
入金されなかった、など支出があったり、収入がなかったりというものです。

不良債権の場合は、前期以前に売上として計上されているため、その利益に
ついては
税金をかけられています。

その利益を取り消しているだけなので、トクしているわけではありません。

不良在庫についても、お金を出して購入しているものが売れなかったということ
ですから、現金の流出がすでに起こっているのです。

帳簿上残っている固定資産の廃棄についても、同様に高額のもの(固定資産)
を購入しながら、それが手続きもなくどこかに行ってしまうということは本来は
ありえないことです。

まったく現金の支出がなく経費を計上することができるものがあれば最高ですが
そのようなおいしい話はありません。

また、これらのように不良債権や不良在庫のようなものがたくさん発生するという
ことは、経営的には失敗が多いということになるので、節税以前に与信管理や
在庫管理を徹底すべきでしょう。

なお、貸倒引当金の計上については、資本金が1億円以下の会社であれば
一定額までを費用計上することができます。

ただし、翌期にはその金額を収益に計上しなければならないため2期通算では
損益ゼロとなります。

現金支出の伴わない経費支出は、追加の負担がないため節税の方法としては
適切です。
(のちにまとめるように、「現金支出あり」の場合は、支払税金が減るかわりに
現金支出が増加するので、手元のお金は減ります)

しかし、上記でみたように大量に発生させられるものではありません。
従って、肝心な場面で使用できる方法ではないということです。

枚方市の税理士 三木博人税理士事務所(大阪府枚方市)