もうけに対してかけられる税金(個人なら所得税、法人なら法人税)は
所得金額(もうけ)×税率
算出されます。
所得金額を少なくするか、税率を低くするかで納める税金の額が少なくなります。
所得金額を減らす方法については検討してきましたが、もう一方の節税手法
についてもみてみます。
それは、低い税率を適用するということです。
個人にかかる所得税の税率は次の通りです。(所得税の速算表)
ここに住民税の税率10%が上乗せされるので、最高で55%の税率がかけられます。
所得税は、「超過累進課税」というシステムになっています。
このしくみでは、所得金額が500万円である場合には、
①195万円の5%(97,500円)
②195万円から330万円までの金額(135万円)の10%(135,000円)
③330万円から500万円までの金額(170万円)の20%(340,000円)
の合計額(572,500円)が所得税額になります。
ただし、このように何本も算式を組んで、最後に合計をするのが
面倒なので、上記のような速算表を使用します。
速算表に当てはめて、
500万円×20%-427,500円=572,500円
というように計算します。
ちなみに住民税のほうは、所得金額が多くても少なくても税率は10%のままです。
超過累進税率の特徴としては、個人単位で所得がたくさんになれば、
その高い部分には高い税率が適用されます。
なので、低い税率を適用しようとすれば、なるべくたくさんの人に
分散すればよいのです。
一人で1,200万円の所得を計上すると所得税額は2,424,000円になります。
これに対して、3人で400万円ずつにすると所得税額は一人当たり372,500円と
なり、3人の合計でも1,117,500円になります。
単純に3人に分散するだけで税額が半分以下になります。
この分散による効果は、所得金額が大きい場合(適用される税率が高い場合)
に発揮されます。
しかし、所得税では所得の分散については一定の制限があります。
身内に給料を払うといったことは、一定の条件のもとに限定的に
認められているのみです。