前回は、固定費と変動費の区分についてみてみました。
どの項目が変動費であるかを把握できたら、その変動費が
どのように発生するかを考えてみましょう。
ただし、変動費のタイプによって把握の仕方が変わります。
仕入の場合は、その商品ごとの粗利益が異なるのであれば
商品ごとに把握する必要があります。
通販の配送料などのように、お客様一人当たりに対してかかる
経費については、次のようなステップを踏む必要があります。
①売上を「顧客単価×顧客数」に分解する
②お客様一人当たりにかかる経費を「経費の単価×顧客数」に分解する
③「②の経費単価/①の売上単価」で率を算出する。
上記のようにして、売上がいくら増加したら経費がいくら増加するか
という対応関係を明らかにしていきます。
売上に対しての変動費の割合を「変動費率」といいます。
また、売上がゼロであればまったくかからない経費であるという点が
変動費の重要な要件になります。
売上がゼロになってもゼロにならない経費は、固定費に分類しても
よいと思われます。
売上から変動費を差し引いた利益は「本当の粗利」です。
これを「限界利益」「貢献利益」などと呼びますが、専門用語はさておいて、
売上が計上された場合に手元に残る利益相当額です。
この「本当の粗利」は、「金額」ではなく「率」を把握することが必要です。
月の売上が1,000万円の場合、変動費がいくら発生するかなど、売上の大きさに
連動させて業績をイメージする必要があるためです。